三島由紀夫の「潮騒」を読んで

三島由紀夫の「潮騒」

他の作品とは異質な「青春純愛小説」

「潮騒」は「仮面の告白」、「金色」、「金閣寺」、「美徳のよろめき」、など他の三島由紀夫の代表作比べたら、あれっと思う小説です。逆に、「潮騒」から読んだ人は、他の代表作を読んだら戸惑うでしょう。

伊勢湾口にある小さな歌島(神島)を舞台に、貧しくも素朴な若い漁師と網元の海女が好き合い、障害はあったものの、最後は結ばれる青春純愛小説で難しいところはありません。それでも、三島由紀夫らしい緻密な風景描写は、潮の香りがする島を自分が歩いているようなイメージで読み進めます。難解な小説は再読して気づくものもあります。この小説だけは学生時代読んだイメージと変わることはありません。英語、中国語の翻訳版を語学の勉強にも使ってました。

三島由紀夫は取材で神島に滞在してます。神島の人たちの生活、人柄に触れて、このよう優しい小説になったのでしょうか、それとも三島由紀夫らしさを消した小説を意図的に書いたのでしょうか?

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