齋藤孝の『速読塾』
多くの成功者は、速読、多読法を身につけています。若い頃から、その必要性を知り、試行錯誤して、自分にあった速読多読法を創り上げたのでしょう。著者の齋藤孝をはじめ、佐藤優、成毛眞、七回読みの山口真由など、いかに速読・多読術を武器にしているかがわかります。
経済成長が期待できず、格差が広がる社会で、底流に落ち込まないためには、目の前に広がる膨大な知のテキスト、情報の森から、いかに速く、多くを得ることが、ますます重要になっています。
私はもう若くありません。いまになって欠損している知識が多いことに気づき、もっと速く、多く読みたいと、実践をしながら速読、理解力のレベルをあげようと試行錯誤しています。
齋藤孝が試行錯誤して築いた「速読・多読法」
齋藤孝の『速読塾』は、「いまの何倍速く読める速読法」といった本ではありません。ある程度の速読ができることが前提の読書法です。「速読」、「多読」、「理解力」、「要約力」、「コメント力」、「応用力」までをセットにした読書法です。齋藤孝、本人が、試行錯誤、悪戦苦闘して築いた「速読読書法」の極意です。参考になります。
本のはじめの「速読・多読できる技術を磨くと理解力が速くなる」の一部を引用します。
今だから話せますが、一時期、せっせと目のトレーニングに励んだことがあります。
あるページの右端から左斜めに移動させたら、次は縦といった具合に、目を素早く動かしていくわけです。目が速く動けば、それだけ速く読めると考えたのです。ちなみにこの方法は間違いではありません。
しかし、このトレーニングによって、私は大きな発見をしました。速読できる技術を磨くと、理解力が速まるということです。速読できる技術をと、理解力が速まるということです。つまり、速読できる人はたくさん読めるし、多読の人はたいてい、何らかの速読技術を持っているということ。そして、速読・多読ができる人は例外なく、理解力が高まるという定理を発見したのです。
「速読・多読」の能力は理解力と表裏一体のものです。速く読めば、たくさんの本を読める、たくさんの本を読めば、知識が広がる。それと同時にものごとを理解する速度も加速度的にアップします。
これからが、齋藤孝の速読塾の本講座になります。本書を読まれることをお奨めします。