中学英語で太宰治の『人間失格』を翻訳7

中学英語で太宰治の『人間失格』を翻訳7

P6020001

この勉強はハイな気分でないと手がつかない。でも始めるとはまってしまう。この勉強で私の英作力が向上することは期待できないでしょう。はまってしまうのは、村上春樹が自署のエッセイで「翻訳は一番遅い熟読」と言っているように、「主部は?述部は?」と原文を何度も読み返していると、今まで読み過ごしていたものが見えるような気がする。
それにしても『人間失格』の一文は長い。それで読みやすい。リズムのなかにちゃんと主語と述部がある。

ときに男の衝動と楽観は悲惨な状況をまねく。気をつけないと….

原文:第三の手記

薄暗い店の中で座って微笑しているヨシちゃんの白い顔、ああ、汚れを知らぬヴァジニティは尊いものだ、自分は今まで、自分より若い処女と寝た事がない、結婚しよう、どんな悲哀がそのために後からやってきても良い、荒っぽいほど大きな歓喜を、生涯にいちどでいい、処女の美しさとは、それは馬鹿な詩人の甘い感傷の幻に過ぎぬと思っていたけれども、やはりこの世の中に生きて在るものだ、結婚して春になったら二人で、自転車で青森の滝を見に行こう、とその場で決意し、所詮「一本勝負」で、その花を盗むのにためらう事をしませんでした。

そうして自分たちは、やがて結婚して、それに依って得た歓喜は、必ずしも大きくありませんでしたが、その後に来た悲哀は、凄惨と言っても足りないくらい、実に想像を絶して、大きくやって来ました。自分にとって、「世の中」は、やはり底知れず、おそろしいところでした。決して、そんな一本勝負などで、何から何まできまってしまうような、なまやさしいところでも無かったのです。

広告

私の翻訳

Yoshi’s fair white face was smiling in the dimly lit shop. Ah, nothing is more precious than virgin purity. I had never slept with a virgin younger than myself. I thought about getting married with her, even if I would meet with a great grief . I wanted  to experience a violent joy once in my lifetime.I had thought that the beauty of virgin was the sweet sentimental illusion of stupid poets, but I realized that it existed alive in the present world.There and then I decided that, the next spring after getting married, we would go for seeing the waterfalls by bicycle in Aomori. Anyway it was “a one-game match. ” I didn’t hesitate to steal the flower,

We got married before long. But, contrary to my expectations, joys of marriage had not always been so fine,  on the other hand, the sorrows following were more misery than I had imagined. I knew that the world was still an abysmally terrible place. It was not a simple gentle place controlled easily by “a one-game match”.

ブログ村
ブログ村
スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA