イギリスEU離脱! 『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』を読み返してみようか。

イギリスの国民投票はEU離脱を選んだ。離脱で経済的なダメージを受けるのを一番知っているのがイギリス国民です。「経済、経済…それがどうした」が自立を選んだイギリス国民の決断なんでしょうね。

私は経済のことはわかりませんが、ヨーロッパ、そして資本主義は難しい局面にあるのでしょうか。

エマニュエル・トッドの『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』

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「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)

1年前、去年の5月に出版された『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』を読み返してみた。フランスの歴史人口学者・家族人類学者のエマニュエル・ドットがインタビューに答えたことをまとめた本です。経済書は欠損した知識を補うために読んでいる。

ドイツ.. 「帝国」の匂いがする

地勢的に優位のドイツは近隣の東ヨーロッパ国々の安い労働力を利用して競争力を高めてきた。そしてユーロ圏をまるごと捕獲したような市場にして、ユーロ圏内で最大の貿易黒字を出している。いまやヨーロッパのシステムは、”ヨーロッパがドイツ”、”ドイツがヨーロッパ”になっている。突出したパワーの擡頭に伴う「権威主義的文化」には「帝国」の匂いがする….それがヨーロッパ、ユーロ圏を過去の不安定で最悪だった時期に加速的に追い込んでいる。….

本を開くと「ドイツ帝国」の勢力図が載っている。

フランスは「自主的隷属」、イギリスは「離脱途上」となっている。

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「離脱途上」ーイギリス

私はイギリスを離脱途上というような描写した。なぜならばイギリス人たちは、彼らにとってぞっとするものである大陸ヨーロッパのシステムに加入することはできない。

彼らはある種のフランス人と違い、ドイツ人に従う習慣を持っていないのだ。それだけでなく彼らは、ドイツ的ヨーロッパよりはるかにエキサイティングで、老齢化の程度もより低く、より権威的ではないもうひとつ別の世界である「英語圏」、つまりアメリカやカナダや旧イギリス植民地の世界に属している。

いつか彼らはEUから去ると思いますか?

もちろん! イギリス人はより強いわけでも、より優れているわけでもない。けれども、彼らは背後にアメリカ合衆国を持っている。
早い話、自分のことを言わせてもらえば、自分の属するネイションの自立性の消滅に直面している一フランス人として、もしドイツの覇権かアメリカの覇権か、どちらかを選べといわれたら、私は躊躇なくアメリカの覇権を選ぶよ。私にしてそうなんだから、イギリス人の場合、どっちを選ぶかなんて分かりきっている。

この本の副題は「日本への警告」です。サスペンス小説より面白い。

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