村上春樹と松村映三の『辺境・近境 写真編』を読んで

本棚の隅にあった村上春樹と松村映三の『辺境・近境 写真編』を開いてみた。発行は平成12年(2000年)16年前である。写真が主体で、村上春樹の短い文章が添えられている。

『辺境・近境 写真編』:村上春樹、松村映三

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村上春樹が写真家松村映三旅したフォトエッセイのようなもので、村上春樹は、松村映三が学生だった頃からの知り合いで、彼がライカを手に旧満州を旅して撮った一連の白黒写真が印象的だったのが、一緒で仕事するようになったきっかけになったと言っている。

松村映三は器用な写真家ではなく、刃物で言えば、ずばっと切れる鋭利な 剃刀とかナイフとかじゃなくて、裏庭で太い薪をごつごつと割る鉈みたいな感じの仕事をする、と村上春樹が言っているように、構図にこだわらず切り取った、飾り気のない写真は、逆に滲み出るようなものがある。

6つの旅の写真に分かれている、「イースト・ハンプトン」、「からす島(瀬戸内海)、「メキシコ」、「ノモハン」「アメリカ」、「神戸」

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メキシコ編で、村上春樹はこんなことを書いている。

今でも、机に向かってこういう文章を書いているときに、ララインサールの村でお金が五百ペソ足りなかっただけで、僕の顔をいつまでもじいいいいっと見つめていた綺麗な物売りの女の子の目を思い浮かべてしまう。そのとき、彼女の目の中には、何かしら僕の心を揺さぶるものが存在していたと思う。誰かとそういう風に真剣に目を見合わせたのは、僕にとってはものすごく久しぶりのことだった。

読み終えたら。ここ何年も使ってないライカを引っ張り出して、どこか旅したいなと心が動く。


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