これを読んでから他の文章術を読もう『一夜漬け文章教室』

文章が上手くなりたい思いから、文章術の本は沢山読んだ。しかしいっこうに上手くなっていない。”一夜漬けの文章教室? 良くある誇大タイトルだな”と思いながら20頁ほど立ち読みした。結局買って喫茶店で読んでいる。けして”一夜漬け”は大げさなタイトルではない。

一夜漬けの文章教室:宮部修

元読売新聞社の記者だった著者が大学の文章教室を担当した。「何を書けばいいかわかない」、「書きたいことがない」という学生が多い。そんな学生が文章の理論、定説に寄りかからず、文章を書くコツをつかみ、書く喜びを感じる域になれる、基本を述べた”一夜漬け”文章術です。

第一章で、私がマーキングしたところの引用メモは;

「どう書くか」より「何を書くか」が重要
文章は「何をどう書くか」に尽きるが、学生達は「何を書くか」よりも、もっぱら「どう書くか」に神経を集中し過ぎている。

定説を忘れる。気になっても無視して書く
起承転結などの定説を忘れ自由に書く。

エッセイで自分を見つける
エッセイにこそ、文章の本道、エッセイが書ければ、どんな種類の文章も書くことができる。

チェックポイントは二つだけ
■ 書きたいことをしっかり支えてくれるエピソードを探し出して使うこと
■ 表現を具体的にすること

エピソードを集めるとはどういうことか。沢木耕太郎のエッセイ『地図を燃やす』の中のエッセイ「断片から」を引用している.

—<前略>—そこでひとりの編集者に出会ったことは、ぼくの「文章修行」の上で実に大きな意味を持った。彼は、ぼくが断片しか書けず全体化できないで悩んでいる時、そしてそのようなかきかたしかできないことを悩んでいる時、常に力強く励ましてくれる存在だった。彼は、それでいいのだ、といった。どうして断片をつながらないのなら無理につなげる必要はない。断片と断片は星印で連続したってよいのだから。重要なのは断片の強烈差だ。それはぼくにとってひとつの啓示ともいけるものだった。—<中略>—
もちろん、そうやってでき上がった作品のほとんどは、断片そのまま並べたというものではなかった。しかし、ルポタージュにとって何より大事なものは、取材による細部の確かさと鮮やかさなのだということは腹の底から理解するようになった。
いまでもなお、ぼくは「断片」からしか出発できない。そして、それをなかば「よし」としているのだ。

これからが具体的な本題です。引用文も多く楽しく読めます。読んでみてください。

本書の大目次
第一章:まず、エッセイから始めよう
第二章:私流・「型破り」の文章教室
第三章:小論文必勝法
第四章:エッセイをダメにする四つの傾向
第五章:文章に「スキ間」を作れ
第六章:いかにして「独創」のある文章を書くか
付録:「自己PR」、「自分史」を書くことになったら

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