女のいない男になりたくなかったら、村上春樹の『女のいない男たち』を読もう

『女のいない男たち』:村上春樹

読み始めると、いつもながら村上春樹とは何者だ、と思ってしまう。村上春樹自身の体験でも、身近に起こったことでもない。ありそうで無いことを、ありそうに書く。きった頭の中に深い井戸があって、少し呼び水を注ぐと、直観が淀みなく湧き出てくるのだろう。

『女がいない男たち』は、”女がいない男たち”という一つのモチーフで書かれた、手法、文体も異なる物語6編が収められた短編小説集です。

もてなくて女がいないわけではない。信じていた女、愛し過ぎた女に去られ、孤独と追懐の闇に落ちて”女のいない男たち”になった純真な男たちの物語です。「男を欺く女たち」とは言い換えれないが「女を知らなかった純粋な男たち」とは言えそうな隠喩です。

私の要約

ドライブ・マイ・カー
美人女優が子宮癌で亡くなり、二人の男が同時に”女がいない男に”なった。一人は妻を愛していた舞台俳優の夫、もう一人は妻と最後に寝た男。舞台俳優の夫は専属運転手で雇った無口な女に、亡くなった妻のこと、妻が他の男と寝ていたこと、妻と寝た男と友達らしきつきあいをしたことなどを語り始める。


イエスタディー
その男とは喫茶店のアルバイト先で知り合った。完璧な関西弁を話し、『イエスタディー』に関西弁の意味のない詩をつけて歌う、田園調布出身の変った男だった。彼には小学校の頃から一緒だったガールフレンドがいた。純粋で繊細な彼と、相応な男女関係を望むガールフレンドの間にずれができた。そして、ある日彼は、僕と彼女の前から姿を消した。


独立器官
その友達は信頼に足る男だった。美容クリニックを経営していて、独身主義者だった。彼がガールフレンドと選ぶ女性は人妻か、他に本命がいる女性で、どろどろした関係を好まなかった。それが、ある日賢いキツネが落とし穴に落ちるみたいに、深い恋に落ちてしまう。その女性を失うことを恐れ、そして失い、死に追い立てられる。


シェラード
精神欠陥の男は地方の「ハウス」に送られた。外出できない男を近くの女が買い物など「連絡係」として世話をした。彼女はあたり前のように男をベットに誘った。男が夢中になったのはセックスではない。セックスの後に、女が『千夜一夜物語』の王妃シェラードのように語る、不思議な話だった。


木野
1日早く出張から戻った。妻と同僚がベットに入っていることを目撃した。妻と離婚し会社を辞めて、小さなバーを始めた。そのバーにカミタ(神田)という男が来るようになった。もの静かな男だった。ある日、彼からこのバーに危険が迫っている、すぐに店を閉じて知らない土地を移動しながら旅するように言われ、素直に従った。彼は僕に何を伝えようとしたのか。


女のいない男たち
難しくてうまく要約できなかった。だから次の文章を引用します。

—-どちらにせよ、あなたはそのようにして女のいない男になる。あっという間のことだ。そしてひとたび女のいない男になってしまえば、その孤独の色はあなたの身体に深く染み込んでいく。淡い色合いの絨毯にこぼれた赤ワインの染みのように—-


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