夏が終わる前に『十五少年漂流記』を読もう

『十五少年漂流記』: 波多野完治訳

数年に一度、夏になると思い出したように読み直している『十五少年漂流記』です。読んで気がつくことは、翻訳書という違和感がまったくないことです。

原作は、『海底二万里』、『80日間世界一周』、『月世界旅行』などの空想科学小説で有名な、フランスの作家ヴェルヌ Julues Verne (1825〜1905)です。

『十五少年漂流記』の原作の題名は『二ケ年の休暇』で、他の国ではあまり読まれてないようです。しかし日本では、夏の読書の定番として本屋に陳列されています。

あとがきで、翻訳者の波多野完治は、フランス語原書、英語翻訳版、それに明治28年(1896)年に森田思軒が英語訳から翻訳したものを参考にし、原書の文体、原作にある矛盾を修正した、と書いています。

だから、いまや波多野完治訳の『十五少年漂流記』が原書のようなものでしょうか。

物語の始まり

1860年2月15日の夜、ニュージーランド首府オークランド市の港に停泊していた帆船スルギ号に、14人の少年がはしゃぎ乗り込んだ。南半球の2月は、北半球の8月にあたる。少年たちは評判の高い小学校、チェアマン学校に通う生徒で、ニュージーランドに移住した裕福な家庭の子供たちです。次の早朝、親たちが借り受けたスルギ号で、ニュージーランド沿岸一周の旅に出ます。

小さな帆船と言っても100トンほどあり、少年たちを楽しませる以上の装備と、品物が積み込まれている。銃、弾薬も積み込まれている。これらが少年たちが生き延びる助けになった。

船の乗組員は10人で、船長、運転士、水夫6人、コック1人、それに黒人のボーイのモーコである。船長は翌朝の出航の時間にやってくることになっており、水夫、運転士は、子供達が寝室のベットで寝息を確かめたから港の酒場へ出かけていった。

船に残っていたのは14人の少年と、ボーイの黒人の少年モーコの15人です。船の揺れ方を不思議に思い眼をさまし、甲板に出たモーコは船が港を離れ流されていることに気がつく。スルギ号を岸壁につなぎとめていた艫綱が解けてしまったのである。一番の年上が13歳の、15人の少年たちの、冒険を超えたサバイバル物語の始まりです。

スリリングで、建設的でモラルのある少年小説

嵐、島へ漂着、リーダー、島の探検、無人島、洞窟での生活、食料の調達、狩り、仲間の対立、越冬、大統領選挙、動物の飼育、生活の規則、幼い少年たちの教育、仲間の分裂、艫綱が解けた秘密、漂着した悪人たちとの戦い、対立から友情、島からの脱出

スリリングな冒険小説である一方、少年たちは無人島に共和国のようなコミュニティを作り、選挙によって選ばれた大統領が、建設的な意見と勇気あるリーダーシップで対立を仲裁し、各自の役割を守らせ、危険で過酷な無人島で生きのび、脱出の方策を探り続けるという、モラルある少年小説です。

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速読は私の特技です。小説はゆっくり読みます。それでも2〜3倍速さで読んでいるでしょう。

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