綿矢りさの『勝手にふるえてろ』を読んで

『勝手にふるえてろ』:綿谷りさ

綿矢りさは、男にはわからない女性の生態のようなことを、さらっと大胆に書いたりする。そんな時は、へぇーそうなの、と自分の無知を喜んでいる。
“女子トイレの音姫”?  聞いたことも聴いたこともありません。あったら犯罪です。

両脇の個室からユニゾンで鳴り響く音姫の流水音が、私の泣き声をかき消す。いつのまにか致す時は鳴らすのがマナーになった音姫、おそらく日本の女子トイレで飲み起きている不思議な現象。音姫がで始めてすぐのころ、私たちはこれで恥ずかし音が消せると、喜んで大急ぎでボタンを押した。ーーーー

上記は小説の本題とはあまり関係ありません。

会社の経理で働いている26歳の独身女性ヨシカと2人の男の物語です。といっても、ヨシカと2人の男との関係がもつれ合うといったディープな大人の愛憎物語ではない。恋愛経験がなく、大人になりきっていないヨシカが、妄想の男と現実の男の狭間で、我儘にもがき苦しむ結婚願望物語です。

「足るを知れ」、「足らざるを知り、求め続けよ」を結婚相手をモデルにして、綿矢りさ自身が何か重ねるところがあるのか、それはわかりません。

私の簡単なあらすじ

ヨシカには2人の男性がいた。いたといっても、1人は中学時代の同級生で、眼も合わせたことがない片思いの妄想の相手で、彼女は彼をイチと呼んだ。もう1人は同じ会社で、彼女のことが好きで積極的で、何度かデートもしたし、家でも会った。しかし、彼の容姿も趣味も好きになれない。彼女は彼を二と呼んでいた。

“足るを知る”ことなどできない。彼女はイチがよかった。二なんていらない、イチが欲しかった。

彼女はイチと会おうと決めた。他の同級生の名前を使い同窓会を開くことを画策し、イチと会うことができた。イチへの思いは変わらなかった。初めて二人で話すチャンスが来た。意外と話が合った。しかし…

「どうして、わたしのこと”キミ”と呼ぶの?」
「ごめん。なんという名前だったか思い出せなくて」

イチは彼女の名前すら覚えていなかった。

同僚の女性に、信頼できる同性と思って話したことが、二に漏れていた。何もかも嫌になり、彼女は会社を休むために子供のような行動をする。上司に妊娠したと嘘をつく。

周りから人が去って行った。傷ついた二が去って行った。

二は、胸になんかの拍子に付いた赤いふせんだけで、彼女を見つけてくれた人です。彼女は二の携帯に電話をし続ける。

自分の愛ではなく、他人の愛を信じるのは、自分への裏切りではなく、挑戦だ。ーーーー
「霧島くん、ねえ、怒っているの」
「いや。ほっとしている」
彼はため息をついて私をそっと抱き寄せると、太い指でごわごわと優しく私の髪を何度もなでた.—-

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