大人の英語勉強:堀辰雄の『風立ちぬ』

掘辰雄の『風立ちぬ』で英語の勉強

風立ちぬ・美しい村 (新潮文庫)

スランプの時は好きな小説の一文を翻訳する。辞書を引きながらひたすら英語に置き換えていると、いつのまにかはまっている。村上春樹氏も翻訳を「最高の熟読」と表現しています。主語を探し出すためには、何度も読み返す必要があります。

『風立ちぬ』のモデルである「私」は、堀辰雄氏自身であり、「節子」は堀辰雄氏の婚約者です。この小説は、私小説にロマンを織り込んだものですが、八ヶ岳山麓のサナトリウムでの死の予感や自覚の中での不安、思いやり、そして夫々の眼に映る山麓の風景が描かれています。

原文(サナトリウムに向かう)

私達の乗った汽車が何度となく山を攀じのぼったり,深い渓谷に沿って走ったり、又それから急に打ち展けた葡萄畑の多い台地を長いことかかって横切ったりしたのち、漸っと山岳地帯へと果てしのないような、執拗な登攀をつづけ出した頃には、空は一層低くなり、いままではただ一面に鎖ざしているように見えた 真っ黒な雲が、いつの間にか離れ離れになって動き出し、それらが私達の目の上にまで圧しかぶさるようであった。

空気もなんだか底冷えがしだした。上衣の襟を立てた私は、肩掛にすっかり体を埋めるようにして目をつぶっている節子の疲れたと云うよりも、すこし興奮しているらしい顔を不安そうに見守っていた。 彼女はときどきぼんやりと目をひらいて私の方を見た。はじめのうちは二人はその度毎に目と目で微笑みあったが、しまいにはただ不安そうに互を見合ったきりすぐ二人とも目をそらせた。そうして彼女はまた目を閉じた。


私のは翻訳勉強

The train we boarded crossed mountains repeatedly, traversed deep valleys, and suddenly passed through vast open vineyards for a long stretch, before finally entering a mountainous region. As the train ascended the mountain persistently, the sky grew lower and the previously monolithic black cloud began to split and move independently, hanging ominously above us. 

Somehow the air was freezing. I pulled up my coat collar and watched Setsuko’s face with concern. She had buried herself in her shawl, her face appearing more excited than tired. Occasionally, she would open her eyes dimly and glance at me. Initially, we smiled at each other when our eyes met, but eventually, we became worried and tried to avoid eye contact. Finally, she closed her eyes again.

一文が長く難しかった。


ゼロからの英語やり直し教室New Beginning



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