村上春樹原作:映画『ハナレイ・ベイ』を観て

映画『ハナレイ・ベイ』を観て

映画『ハナレイ・ベイ』は村上春樹の短編小説集『東京奇譚集』に収めらている『ハナレイ・ベイ』の実写版です。映画館に入る前に喫茶店で読み、映画を観てからロビーでもう一度読み直した。20分くらいで読める短編小説です。

小説を読んだ時に自分なりのイメージが出来上がっている。だから小説が原作の映画は、特に、キャスティングが自分のイメージとかけ離れているとがっかりしてしまう。

でも、この映画はキャスティングがピッタリ合っている。ハワイのハナレイ・ベイで息子を亡くした母を演じる吉田羊、サーフィン中に鮫に片足を食いちぎられショック死した息子を演じる佐野玲於(Generationsのメンバー)、そして素人ぽい演技がとくに原作にはまっているサファー役の二人、村上虹郎と佐藤魁(プロサーファー)です。

村上春樹の小説は、だいたいもう少し書き足してくれればと思うところがある。読者なりに解釈、イメージしなさいというこなのでしょう。映画には原作をふくらませているところがあるが、違和感はない。

母は何故10年も、命日の頃にハナレイ・ベイに行ったのでしょうか。ただ亡き息子を偲んでだったのでしょうか。息子とはそんなに親密な親子関係ではなかった。夫は若くして他の女性のところで心臓麻痺で亡くなった。10年目にハナレイ・ベイで会った二人の若く心幼い日本人サファーを通して、探し求めていた家族の糸をつかんだ….

ハワイの海と空は目に飛び込んでくるような青ではなく、トーンを抑えた映像になっている。

映画を観た後でも原作を読んでみてください。

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