大人の英作勉強;坂口安吾の『桜の森の満開の下』

大人の英作勉強;坂口安吾の『桜の森の満開の下』

坂口安吾全集

先日、映画『ファンタスティクビーストと黒い魔法使いの誕生』を観たとき、シネマ歌舞伎『新作』『桜の森の満開の下』が2019年4月に公開される予告があった。ゾクッとするほど美しい女を背負って、満開の桜の下を駆け抜けようとする山賊、どんな妖艶な色相の舞台なのだろか。
映画の帰り、青空文庫で読み直してみた。

—どういう不安だか、なぜ、不安だか、何が、不安だか、彼には分らぬのです。女が美しすぎて、彼の魂がそれに吸いよせられていたので、胸の不安の波立ちをさして気にせずにいられただけです。
 なんだか、似ているようだな、と彼は思いました。似たことが、いつか、あった、それは、と彼は考えました。アア、そうだ、あれだ。気がつくと彼はびっくりしました。
 桜の森の満開の下です。あの下を通る時に似ていました。どこが、何が、どんな風に似ているのだか分りません。けれども、何か、似ていることは、たしかでした。—

『桜の森の満開の下』原文

桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。なぜ嘘かと申しますと、桜の花の下~人がより集って酔っ払ってゲロを吐いて喧嘩けんかして、これは江戸時代からの話で、大昔は桜の花の下は怖しいと思っても、絶景だなどとは誰も思いませんでした。

私の翻訳勉強

 When the cherry blossoms bloom, people become cheerful and lighthearted. They walk under the cherry blossoms, carrying wine bottles, filling their mouths with dango, and exclaiming at the wonderful sight of spring in full bloom. However, this is a common misconception. 
 The truth is that since the Edo era, it has been customary for people to gather under cherry blossom trees, drink until they vomit, and start quarrels. In ancient times, people even held fairs under the cherry blossoms, but they never considered it a wonderful sight.
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