『東大ドクターが教える集中術』:森田敏宏

絶対時間は誰にでも公平です。しかし同じ時間内で処理できる能力に差があります。それが勉強が、仕事がができるできないの差になってしまいます。脳力の差なんでしょうか。私は老いても「人間の脳は30%しか使われていない。まだまだ頭は良くなれる」と諦めが悪いようです。でも、できる人の極意はテクニックにあるようです。反復のテクニック、短時間集中力、そして長時間集中できるテクニックです。
著者の森田敏宏は、地方の無名高校から「東大理Ⅲ」に合格、卒業した「心臓カテーテル手術」のトップドクターです。実践で創りあげた「集中術」です。具体的で、医科学的な裏付け説明には説得力があります。誰にでも即実践できる説明になっています。受験生、年齢を問わずお奨めです。
目次を紹介します。
集中の定義
集中の定義を4つにわけています。
1. スピード集中:同じ作業をより短時間で仕上げる技術
2. スタミナ集中:長時間一つの作業に集中し続ける技術
3. セレクト集中:たくさんある仕事の中から一つだけに集中する技術
4. ステップ集中:目の前の一歩に集中する技術1. スピード集中
- 小学生からの時間制限した反復勉強法
- 反復勉強と脳内電気回路(神経細胞とシナプス)
- パーキンソンの法則(時間制限を意識せよ、反復できるものは改善できる)
- エビンハウスの忘却曲線
- 脳内電気回路を強化するための工夫
2. スタミナ集中
- プロの将棋士、医者の手術、テニスプレーヤーなどの長時間集中力
- 脳のエネルギー源はブドウ糖
- 甘いものは血糖値を乱高下
- 血糖値を安定させる
- GI食品について
- 一日二食の効用
- 疲れを取る技術
- 熟睡の技術」
- 体力とは何かー活性酸素とミトコンドリアの関係
3. セレクト集中
- やるべきことと、やらなくて良いこと
- プロジェクトは分割せよ
- 目標意識を明確に
- マインドマップ
- 一人戦略会議」
- サンク・コスト効果ー過去の経験から目標を切り捨てるか、活かしたほうが良いか分ける
- Sカーブの法則
- 「人の裏に道あり」など。
4. ステップ集中
- 困難な目標も細かいステップに分割
- 目の前の一歩からーイチローの例
- 行動をさらに細かく分割してみる
- 「報酬効果」、「作業時間を計測するメリット」
- 「嫌な作業こそ早くすませる」など。
さらに、「集中する技術ー実践編」では英語の勉強法、マインドマップの活用法について具体的に述べられています。