猫のはなし
猫ブーム
猫ブームで経済効果が2兆円以上だそうだ。2兆円とはどんな金額かというと、1億人の国民が一人2万円消費するという金額になる。本当かな、ちょっと疑いたくはなるが、猫を可愛がり、癒されて経済効果があるわけだから、猫にも人間にも幸せなことである。
猫のはなし
大学生の頃下宿していた。その下宿先に雌猫がいた。その猫は僕のことが気に入ったらしく、ずっと2階の僕の部屋で一緒だった。学校から帰ると階段の上で行儀よく座って待っている。トイレへ行くとトイレのドアの前で待っていた。
僕をすっかり信頼していたようで、下宿している間に数度僕の部屋の押し入れで子供を産んだ。するとその度、僕が学校に行っている間に下宿のじいさんが部屋に入って1匹を残して残りの子猫はどこかに捨てていたらしい。
子猫にとって僕は親も同然である。もらい手が見つかるまで夜は一緒に寝ていた。だから僕の部屋は猫の毛だらけで服にはいつも猫の毛がついていた。下宿の向かいの女子高生が「子猫をみせてください」と部屋に勝手に入って来る。本当に猫が好きだったかどうかはわからないが、子猫の一匹はその子に押し付けた。
学校を卒業して下宿を引き払うことになった。階段の上で僕をじっと待っている猫の姿を思うといまでも悲しくなる。
猫の写真
出かけるときは必ずカメラを持っている。猫の写真を撮りたいわけではない。そこに猫がいるのである。