中学英語で夏目漱石の『草枕』翻訳 5

中学英語で夏目漱石の『草枕』翻訳 5

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今日は頭が少しクリアだ、イクスピアリでノンアルコールビールを飲みながら『草枕』の翻訳でもしようと思い、いつものように簡単そうな文章を探している。村上春樹がエッセイで、夏目漱石のような小説は絶対にワープロでは書けないと言っていた。たしかに原文を打つのに苦労する。

簡単そうだと選んだ文章に王維の漢詩「空山不見人 但聞人語響 —— 」が引用されている。これも調べないと…

原文:新潮社文庫本『草枕』

時計は十二時近くになったが飯を食わせる景色はさらにない。ようやく空腹を覚えて来たが、空山不見人(くうざんひとをみず)と云う詩中にあると思うと、一とかたげぐらい倹約しても遺憾はない。画をかくのも面倒だ、俳句を作らんでもすでに俳三昧に入っているから、作るだけ野暮だ。読もうと思って三脚几に括りつけて来た二、三冊の書籍もほどなく気にならん。こうやって、煦々たる春日に背中をあぶって、縁側に花の影と寝転んでいるのが、天下の至楽である。考えれば外道に堕ちる。動くと危ない。出来るならば鼻から呼吸もしたくない。畳から根の生えた植物のようにじっとして二週間ばかり暮らしてみたい。

私の翻訳

The watch shows nearly twelve, but there is no sign of serving me a meal.I just feel hungry, but thinking that I’ve been already immersed in a Chinese poem of “In a quiet mountain no one to be seen”, I may not regret only single piece of thrift. It is bothersome to draw a picture, and as I’ve been already absorbed in Haiku world, it is unsophisticated to dare to make a Haiku now. I brought two or three books tied the tripod to read, but no interest has arisen about them.Feeling a genial spring sunlight on the back and lying down beside flower’s shadow on the engawa, I can feel a pure bliss in the world. If I’m going to think of something, I’ll fall in the outside of Buddhism.
Movement is at risk. If I could, I want even to stop breathing through the nose. Like a plant rooted in tatami, I wish to live without moving for about two weeks.

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