日本語の接続詞について教わったことありますか?

文章は接続詞で決まる:石黒圭

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「日本語の接続詞について教わったことありますか? 勉強したことありますか?」
「接続詞? もちろんありません」
読む上ではどんな接続詞も読み違えることはないでしょう。しかし、文章で使うとなると別です。途端に能動的に使える接続詞が少なくなってしまう。「そして、しかし…」など限られた接続詞のオンパレードである。

この『文章は接続詞で決まる』は接続詞に特化しためずらしい本です。接続詞の全体像を体系的、論理的に明確にしています。だから他の文章本のようなモヤモヤ感がありません。

文章が得意な人、そうでない人にもおすすめの一冊です。

接続詞の定義

接続詞の一般的な定義は、
「接続詞とは、文頭にあって、直前の文と、接続詞を含む文を論理的につなぐ表現である。」
に対して本書では次のように定義している。
「接続詞とは、独立した先行文脈の内容を受けなおし、後続文脈の展開の方向性を示す表現にである。」

接続詞を4つのタイプに分類

この「後続文脈の展開の方向性」を4つのタイプ、「論理の接続詞」、「整理の接続詞」、「理解の接続詞」、「展開の接続」に分類して、個々の接続詞の具体的な用法を説明している。各接続詞の具体的な説明には、新聞、小説、詞、エッセイなどの引用文があって、分かりやすい説明になっている。

論理の接続詞
展開の接続詞-だから系、それから系
逆説の接続詞-しかし系、ところが系
整理の接続詞
並列の接続詞-そして系、それに系
対比の接続詞-一方系、または系
列挙の接続詞-第一に系、最初に系,まず系
理解の接続詞
換言の接続詞-つまり系、むしろ系
例示の接続詞-たとえば系、とくに系
補足の接続詞-なぜなら系、ただし系
展開の接続詞
転換の接続詞-さて系、では系
結論の接続詞-こように系、とにかく系

下記はは、4つのタイプの分類から、わたしが抜き出した接続詞です。こんなにあるんですね。実は、アウトラインプロセッサーにインプットしたので、見やすいようにまとめようと思っている。

だから,したがって,ゆえに,よって,そのため,それで,それなら,それでは,すると,そうすると、そうしたら,だとすると,だとしたら,しかし,だが,でも,それでも,ところが,にもかかわらず,それなのに,なのに,そのくせ,そして,そうして,それから,また,それに,それに加えて、そればかりか,そのうえ,しかも,ひいては,かつ,および,ならびに,一方,他方,それにたいして、反対に,反面,逆に,または,もしくは,ないし,あるいは,第一に…,最初に/はじめに,つづいて/ついで,その後,まず,つぎに,さらに,つまり,すなわち,ようするに,いわば,いいかえると,いってみれば,換言すると,むしろ,かえって,そうでなく,というか,かわりに,そのかわり、たたえば,具体的には,とくに,とりわけ,なかでも,こと(殊)に,なぜなら,なぜかというと,だって,なにしろ,なにせ,というのは,というのも,ただし,もっとも,なお,ちなみに,さて,ところで,それにしても,それはそうと,それはさておき,では,それでは,じゃあ、このように,こうして,かくして,以上,結局,とにかく,いずれにしても,いずれにしろ、どっちにしても,どっちみち

大目次

序章 接続詞がよいと文章が映える
第1章 接続詞とは何か
第2章 接続詞の役割
第3章 論理の接続詞
第4章 整理の接続詞
第5章 理解の接続詞
第6章 展開の接続詞
第7章 文末の接続詞
第8章 話し言葉の接続詞
第9章 接続詞のさじ加減
第10章 接続詞の戦略的使用
第11章 接続詞と表現効果

本の最後は、谷川俊太郎の詞「そして」を紹介して終えている。

夏になれば
また
蝉が鳴く

花火が記憶の中で
フリーズしている

遠い国は
おぼろだが
宇宙は鼻の先

なんという恩寵
人は
死ねる

そしてという
接続詞だけを
残して

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