『植物はそこまで知っている』:ダニエル・チャモヴィッツ著 矢野真千子訳
植物の能力のすばらしさを知ることができます。
翻訳書が出版されたのは2013年です。多くの生物学者の科学的実験に基づき考察された内容で、今でも人気の名著です。
植物が好きな人、草花を育てている人、そして農業にたずさわっている人などは、読んで思いあたることがあるはずです。
私も思い出したことがある。子供の頃、祖母が渋柿のヘタに酒(アルコール)を塗り、それを藁の中に入れて、柿の渋を抜いていた。
植物は熟するとエチレンを放出し、周りの植物はそのエチレンの匂い嗅いで(感知すると)果実を柔らかくするそうです。祖母にはそんな知識はなかったが、理にかなったことをしていたようです。
本書の帯に書かれているエピローグの要約を引用します。
外界を見きわめながら植物は生きる
問うべきは、植物に知能があるかどうかではない。「植物は知っているのか?」であり、その答えならイエスだ。植物は光や色の微妙な違いを知っており、それぞれに反応する。植物は周囲に漂う香りを知っており、空中にある微量の揮発性物質に反応する。植物は何かに接触したときそれを知り、感触の違いを区別できる。重力の方向も知っていて、芽を上に、根を下に伸ばすよう姿勢を変えることができる。過去のことも知っている。以前に感染した病気や耐え忍んだ気候を憶えていて、それをもとに現在の生理作用を修正する。もし植物が「知っている」のなら、私たちは植物とどうかかわり合えばいいのだろう?
例えば、「植物は見ている」の章で、
植物はその日のいちばん最後に見るのは遠赤色光(人には見えない)で、それが「スイッチオフ」の信号になり、朝になると、植物は赤色光を見てooks。時間を測って成長を調整している。そして昼は青色光を見て、枝を屈曲する方向を定めている。
大目次
1章 植物は見ている
2章 植物は匂いを嗅いでいる
3章 植物は接触を感じている
4章 植物は聞いている
5章 植物は位置を感じている
6章 植物は憶えている
エピローグ 植物は知っている
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植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち (河出文庫) [ ダニエル・チャモヴィッツ ]