『編集手帳の文章術』を読んで

『編集手帳の文章術』:竹内政明著

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どんな勉強をしても最後に突き当たる壁が日本語です。気づくのが遅すぎました。でも諦めきれずに名文家の著書を読んで少しでも近づきたいと思っている。

著者は読売新聞の一面コラム「編集手帳」の執筆者でした。さすが原稿用紙一枚、400字に起承転結を収めた「編集手帳」の執筆者です。要点が簡潔、引用が巧みです。喫茶店で1時間、駅のホームのベンチで1時間で読み終えました。

文章十戒

書くのが恥ずかしくなりました

この新書一冊に著者の文章術の秘密が凝縮されています。思い当たることだらけで、本のほとんどのページが鉛筆のマークだらけです。書くのが恥ずかしくなってしまいました。

心を動かす名文を書くために、著者が自分に言い聞かせているルール「文章十戒」があります。この「文章十戒」を書き出して机の横に貼っておきましょう。各戒毎に筆者のコラムなどを引用して簡潔に解説しています。目次を引用紹介します。

* 「第一戒」:「ダ」文を用いるなかれ
* 「第二戒」:接続詞に頼るなかれ
* 「第三戒」:大声で語るなかれ
* 「第四戒」:第一感に従うなかれ
* 「第五戒」:敬称を侮るなかれ
* 「第六戒」:刑事コジャックになるなかれ
* 「第七戒」:感情を全開するなかれ
* 「第八戒」:「変換」を怠るなかれ
* 「第九戒」:遊びどころを怠るなかれ
* 「第十戒」:罪ある身を忘れるなかれ

コラムの書き出し引用文

新聞のコラムを読んでいて、毎朝泉から湧き出て来るような引用文はマジックのように思ってました。

各紙のコラムの書き出しは、読者の目を引き本文につながる引用がほどこされています。
例えば、今朝(2月25日)の神奈川新聞のコラム『照明灯』の書き出しは,

『「三人寄れば…」の言葉で知られる文殊菩薩(もんじゅ)は獅子にまたがり右手に剣、経巻を持つ姿で知られる。英知と力を象徴しているのだろうか。」

本文は、その名を由来する使用済み核燃料リサイクルシステムの高速増殖炉(もんじゅ)の運転休止状態を引き合いに、使用済み核燃料、廃棄物の処理について述べている。

引用について筆者が秘密を明かしてくれました。著者の引用の「成功の3条件」の1つは「書き手がどうしてその引用を思いついたのか、読者にとって謎であること」、つまりパソコンで検索したら出て来るような引用では駄目だと言う事です。それは著者の分類されて引用の引き出し(データベース)です。ただ、そのデータをどのように引き出すかは、松岡正剛が「多読術」で述べているように、脳にたくさんのエディティング・モデルがあるのでしょう。または引用が本題から少し外れていても、やんわり結びつける特殊な能力なのでしょう。プロの神髄ですね。

読書術としても参考になります。

作家などの多くの引用文が紹介されています。名文家が読んだ広いジャンルの本には興味がそそられます。

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